記憶喪失シーザーのやりたい放題の一日
ただの性欲バカップルです
2016/07/19/pixiv
シーザーと付き合いはじめたのはちょうど一年前の夏だった。
知り合ったのがその少し前で、恋人になって誕生日を知った頃には既に祝おうにも微妙に時間が経っていて、そうしたらシーザーは『今年のぶんも来年祝ってくれよ』だなんて笑ってキスをしてきた。
だから、俺はもうめちゃくちゃに準備しまくったわけ。
プレゼントはどうしても欲しいものがあるからと翌日一緒に買いに行くことになっていたので、準備はほとんどが料理についやされた。
ひそかに磨いていた料理の腕はコース料理を並べるまでには上達しなかったけれど、ケーキを皿に飾りつけてやるくらいの美的センスは鍛えられた。でかいホールケーキにロウソクってのも考えたけど、せっかくのバースデーに節約精神をちらとでも思い浮かべられてはたまったもんじゃあない。信頼できる店の小さなホールケーキを買ってきて、大きな平皿に盛りつけて周りをチョコレートソースでいろどった。これで充分トクベツっぽくなるし、感激したシーザーの上気したほっぺたったら、俺の口元がにやけて戻らなくなるくらいだった。
一緒に並べた料理だって俺にしては充分及第点のものばかりだ。
メインの肉はデリバリーを頼んだけど、付け合わせはこっちで用意した。
好きだぜ愛してるぜって一日中言いまくれば、シーザーの顔はきらきらと輝いていく。
サプライズを仕掛けたり、皆でパーティ開いたりってのももちろん考えたけど、でもやっぱり、恋人のバースデーを祝うなら二人きりがいい。
これから何度も祝うバースデーにサプライズがあってもいいけど、最初の最初は二人きりでオーソドックスに祝いたかった。
ロマンチストと笑うなら笑え。
ジョセフ・ジョースターからの愛情は、重くて面倒でガキっぽい。でもそれを満面の笑みで受け止めてくれるから、俺はシーザーに溺れちまっているのだ。
「……よって、悪いけどおまえがそういうこと言ってきても俺にはこれっぽっちも『それじゃちょうどいいから新しい人生歩んでねダーリン!』なんて身を引く気持ちはないわけです。オーケイ?」
俺が淹れてやったエスプレッソを両手で抱え、男はぱちぱちとまばたきをする。